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ベーシック機材について

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ベーシックな撮影機材について(国内外で持っていくもの)

こんにちは、映像クリエイターの由井友彬(Instagram@tomoaki_yui)です。
今回はお待ちかね「機材」のお話。

僕のファーストカメラは父親のお下がりカメラだったんですが、2014年の最初に晴れてCanonの70Dを買ったことをきっかけに、初めて一眼動画にのめり込み、アメリカでの仕事ではずっとその70DとSIGMAの17-50 f2.8(APS-C用)を使っていました。
日本に拠点を移す際に奮発してCanon 1DX mark IIを買い、少しずつレンズやその他周辺機器も必要に応じて増やしていってます。

というわけで、今回は僕が日頃使っているベーシックな撮影機材を紹介しながら、機材を選んだり扱ったりする時に重要だと思うポイントについて、お話していきたいと思います。

この記事で紹介するベーシック機材リスト

カメラ
  • Canon C200
    レンズ
    • SIGMA 18-35 f 1.8
    • Canon 50mm f1.2
    • Canon 100mm f2.8
    • Canon 70-200mm f2.8
  • 1DX mark II
    レンズ
    • SIGMA 24mm f1.4
    • SIGMA 35mm f1.4
    • Canon 50mm f1.2
    • Canon 100mm f2.8
    • Canon 70-200mm f2.8
  • Black magic pocket cinema camera 4K(BMPCC4K)
    レンズ
    • Olympus 12-100mm f4 IS
    • Olympus 12-40mm f2.8
    • Olympus 25mm f1.2
    • Canon FD 24mm f2.8
    • Canon FD 50mm f1.4
    • Helios 44-2 58mm
スタビライザー
  • DJI Ronin-S
  • Glidecam Devin Graham シグネチャーモデル
ドローン
  • DJI Mavic 2 Pro
三脚
  • VANGUARD Abeo 243AV
インタビュー収録
  • ZOOM H1n Handy Recorder
バッグ
  • Manfrotto Roller Bag 55
  • Peakdesign Travel Backpack

機材の紹介

カメラ

さて、まずはカメラをご紹介します。
現在では、案件によってCanon C200と1DX mark II、そしてBlackmagic Pocket Cinema Camera 4K(BMPCC4K)を使い分けています

Canon C200

C200
C200で使用するレンズ

スーパー35mmセンサーを持つカメラを使用する場合、SIGMAの18-35mm f1.8が大好きで、今年2019年に撮影したMVの中でも多用しています。



1DX mark II

eos_1DX_mk2
1DXで使用するレンズ
イベント撮影や現場に行くまで何を撮るのか分からない場合などは、Canon 24-105mm f4 ISを使う場合もあります。


Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K(BMPCC4K)

BMPCC4K.jpg
BMPCC4Kで使用するレンズ

BMPCC4Kの場合、12-100mmのレンズ(35mm換算で約24-200mm)でほとんどの終点距離をカバーできます。
かつ、レンズ側に手振れ補正も付いているので、レンズを1本しか持てない場合で暗所撮影以外では、ほとんどこのレンズを付けっぱなしにしています。
「Canon FD 24mm f2.8/ Canon FD 50mm f1.4/ Helios 44-2 58mm」の3本はビンテージレンズですが、価格もかなり安く、独特で少しハイライトやシャドーがソフトになったような雰囲気を出せます。
全体的にかなりソフトな画がとれるのでMVなど、特に自分の個性を出しても良い案件の時はとてもお勧めです。
BMPCC4Kは、そのままだと自分にとっては軽すぎて手持ちでの手ブレが多く出てしまうので、わざと重めのセットアップを組んだりしてます

特機・三脚

スタビライザー

RONIN-S
DJI Ronin-S
Devin_Graham
Glidecam Devin Graham シグネチャーモデル

電子制御のものはDJI Ronin S、もっとオーガニックなlookが欲しいときにはGlidecam Devin Grahamシグネチャーモデルを使用しています。
この2つの使い分け、またはどのように手持ち撮影と使い分けているかは、また詳しく「スタビライザー」についてお話しますね。
Ronin-Sには、先に紹介したシネマカメラが耐荷重的に全て乗せられるようになっています。
C200などの重たいセットアップを組む際には、別途でハンドルを付けて運用しやすい形にしています。

ドローン

dji_mavic2_pro
DJI Mavic 2 Pro

僕の場合、仕事の7割がワンマンであるため、あまり大きいものを現場に一人で持っていくのは現実的ではありません。
なので、折りたたみできてハッセルブラッド社製カメラの搭載されたDJI Mavic 2 proを使用しています。

三脚

Vanguard三脚
VANGUARD Abeo 243AV

僕がこの映像三脚を気に入っている点はズバリ価格です。笑
のちに紹介する僕のドリーム三脚を買うまでの間、とにかくコスパの良い三脚を探しているとシステムファイブの店員さんに相談したところこちらを紹介してもらいました。
結果は最高。。。
もちろん高価な三脚のように重量のあるカメラを乗せたり、完璧スムーズなパンやティルトは出来ませんが、主にBMPCC4K用に使用しているので十二分の性能です。
また、動き方も僕としては何の不満も無いので、初めての三脚で手頃な価格帯のものを探している人はチェックしてみてはどうでしょう?

ちなみに先ほど述べた夢の三脚とは、SachtlerのFlowtechの脚とFSB8の雲台を組み合わせたタイプの三脚のことです。
海外でもとても高評価のようでめちゃくちゃ魅力的なのですが、流石に高価なので貯金してます。
映像を始めた頃はほとんどを手持ちで撮影していたので、僕にとって三脚は元々あまり馴染みがなかったのですが、ここぞという時にバチっと構図を決めて撮ると毎回結果に満足できるので、うまく他の撮影方法と組み合わせながら使用してます。

音声収録・そのほか

インタビュー収録

ZOOM H1n
ZOOM H1n Handy Recorder

インタビューなどで音を撮る時などはZOOMのH1n Handy Recorderを使用しています。
H1nくらい小さいレコーダーだと、いつも機材バッグの中に入れておけるので音録りを想定していなかった現場でも十分対応出来ます。
カメラ直付けのガンマイクは、SHUREのショットガンマイクVP83を使用しています。
ただ最近の現場では音声の同録をあまり行わなかったので出番は少なめです。
1DXで軽く撮る時なんかはよく付けてます!

バッグ

Manfrotto Roller Bag 55
Manfrotto Roller Bag 55(生産終了)
トラベルバックパック
Peakdesign Travel Backpack

機材バッグは、マンフロットのキャリータイプのManfrotto Roller Bag 55を、主に家からロケ地までの間使用します。
現地に着いて歩きでの移動がある際に、PeakdesignのTravel Backpackにカメラなどのメインで使う機材を入れ替えて使用しています。
それぞれのバッグ内には、今回紹介したメインのベーシック機材の他に、それぞれの周辺機器や撮影小物等ありますが、それもまた別の記事で紹介していきます。笑

機材選びのポイント

機動力

ワンマンでの撮影スタイル(前編)ーフローやメリット/デメリット、気をつけているたった1つのことー」でもお話しましたが、僕は最初の仕事から現在までの70%以上の仕事を、ディレクション~撮影~編集のフローを一人でこなしています。
なので、機材を選ぶときは「機動力の高い機材」を意識しています。
人によっては「機動力」の言葉の捉え方は違うかもしれませんが、僕にとって機動力とは「自分の手に馴染み、カバンから出して一人ですぐに撮影を始められる」という事です。
必ずしもそれは軽い機材という意味では無くて、「自分の撮りたいイメージを撮れる」機材だと言う事です。
僕自身、手持ち撮影の際にはカメラ自体にはある程度の重さが欲しいと思っているので「ただ軽いだけ」の機材にはあまり興味がありません。
それよりも、自分が気持ち良く撮り回すことの出来る重さのカメラが好きなので、BMPCC4Kなどもわざと重くしているってわけです。

もちろんその分、レンズの選択にはとても気を付けます。
何本もレンズを持って行くのは流石に重いので笑。
そうやってバランスを取ることで自分の「機動力」を高めてます。

クリエイター自身の機動力の高さはその人の機材の選択によって左右されると思います。
自分の撮影にどんな機材が必要で、どんなものは要らないのかなどは撮影を続けて行くまで分かりませんが、必ずその人に合った機材チョイスというものがあるはずです。
自分自身が機動力高く撮り進める事が出来れば、もう1ショット多目に撮れるかもしれませんしね。
是非次の撮影の機材チョイスの際に、改めて一つ一つの意味を考えるところから始めてみませんか?
新たな発見があるかもしれませんよ。

クオリティを担保できる機材

よく映像制作において、「手頃なカメラでも十分良い映像が撮れる」「カメラの種類は関係ない」と聞きます。
ですが、僕自身は価格もカメラの種類も、作品クオリティに大いに関係あると考えています。
確かに、「『自主制作の映像作品』を制作する」という条件であれば、「カメラの種類は関係ない」と言えると思います。

ですが、「クライアントを抱える広告案件」はそうもいきません。
僕は広告案件が多いのですが、そうしたクリエイターにとって、「クライアントの期待するクオリティの映像を担保すること」はとても大切なこと。
クライアントが安心できる機材を現場に持っていき、自分のパフォーマンスを120%発揮することも僕の仕事の一部だと考えています。
「カメラが小さくなれば、軽くて持ち運びやすいし良いな~」と毎回思ったりもしますが、「その小さなカメラでは、自分の考えている画が撮れない」ということも分かっているので、今日も重たいバッグを背負って汗だくで移動してます。笑

最後に

機材に関して、自分の運用しやすい形にカスタムしていくことが重要だと思ってます。
Ronin-Sにハンドルをつけたり、BMPCC4Kにリグをつけたり、周辺機器を揃えたり。
自分好みにカスタマイズすることで愛着も湧きますしね。
高くて人気のある機材を選べば良い訳ではないですし、万人にとって完璧なカメラなんてこの世に存在しません。
それよりも自分に合った機材は何なのか、何を足せば撮りたい画が撮れるのか。
他の人が「軽くて良い!」と言っていても、「それは=自分にとってメリットになるのか?」など、色々と考えてみる機会を持つことがとても大切だと思います。

もちろん機材に詳しい人に相談するのもオススメです。
僕はよくこのシステムファイブの担当者の方に、「こんな映像が撮りたい」と直接相談しに行きます。
僕よりも機材のことに詳しいですし、何より直接の対話でしか気づかない部分があると思うので。

今回はベーシックな撮影機材の話をしてみましたが、それぞれの機材についての深いことや細かいこと、レンズのもっと詳しい話、気になっている機材などは、また別の記事で書いていきますね。

Author

由井友彬氏プロフィール画像

由井 友彬 / 映像作家
Tomoaki Yui

東京生まれ、石川県金沢市育ち。

美容師を志して18歳の時に上京。美容関係の学校に通った後、3年間都内美容室に勤務。その後、4年制大学に入学、哲学専攻。

大学在学中、米・カリフォルニア州立大学モントレー・ベイ校に留学。同校にて、Cinematic Arts & Technologyを専攻。
演出、制作、編集など映像制作の基礎を学ぶ。
留学中に日系大手旅行会社に売り込み、イメージビデオ制作の機会を得る。

以降、映像作家としてのキャリアを築く。2017年8月に帰国。現在は、東京を拠点にフリーランスの映像作家として活動中。